渋沢栄一 人間の礎

pioneern2004-10-07

渋沢栄一氏と言えば、日本銀行を創立して
初代総裁になり、日本が封建主義国家から近代国家に
成長する明治時代に、何百という企業の立ち上げに
関わってこられた、日本資本主義の父です。


渋沢栄一氏の生涯を描いた本は
いくつか出版されていますが、
この本は、渋沢氏の生まれから始まる前半生を中心に書かれています。
それは、なぜ渋沢氏が日本資本主義の父に
なりえることができたのかという
根本的な理由を探るためだと著者は言っています。


渋沢氏が若い頃を過ごした時期は、幕末ですから
血なまぐさい話もゴロゴロしていて
渋沢氏も若い頃は攘夷論者でした。
しかし、師匠となる平岡円四郎に諭されて、後には開国派になります。
しかし、師匠であったその平岡氏も暗殺されてしまいます。


こうした怒涛の人生を経て、明治に入ると
経済人としての手腕を存分にふるうことになります。
そんな凄い人生を送ることになる渋沢氏ですが
若い頃の経験や出会いがこれほど人の一生を左右するなんて
おそらく何も考えていなかったと思います。
しかし、こうした話を読むことで客観的に人生というものを
捉えて見ることができました。
もっと若い頃に読んでおけばよかったと思える一冊です。