統計はこうしてウソをつく―だまされないための統計学入門

pioneern2004-08-12

新聞やテレビのニュースで統計による数字が出ない日はないでしょう。
経済でも、毎日何らかの統計の結果が発表されています。
ほとんどの人は、そんな数字のほとんどを何も気にせず聞いています。
例えば、アメリカの雇用統計や原油が1バレルいくらで取引きされているか
などの数字が現実性を帯びて、自分の生活に浸透してこないのは
そこに差し迫った関連性と必要性を感じることができないからでしょう。
しかし、世界にはその数字で一喜一憂し、億万長者になる人や多額の負債を抱え込んでしまう人までいるのです。
こういった数字が持つ意味に関して、何の疑いもなく眺めていると
その統計を作った人に振り回されることになるかもしれない、というのがこの本の言っていることです。
統計数字は大きな社会や経済の流れを見るのに、非常に便利なツールです。
しかし、社会的な問題になると、その数字の背景にあるバックグラウンドを知らないと
大きな勘違いをする可能性が多分にあります。
それをしっかり見極めるために、3つのポイントを挙げています。
①その統計は誰、またはどの社会的組織が作ったものか?
②その統計は何のために作られた統計なのか? (目的)
③その統計はどのようにして作られた統計なのか? (方法)
この3点に注目すると、統計の持つ意味が少し立体的になってきます。
また、他にも比較の対象や元となったデータの曖昧さなどが分かってくると
その統計の持つ正確な意味合いが見えてきます。
統計と言うと左脳的な数字の世界だと思っいがちですが
右脳のイメージ力を使って複眼的な視点で見ることで、もっと奥深い意味が見えてくるはずです。