書評:武士道―サムライはなぜ、これほど強い精神力をもてたのか? 

pioneern2004-08-05

ずっと本棚にあった本なのですが、ようやく読みました。
日本人として男に生まれてきたのなら
誰でもが行動の規範、道徳とした不文律の「武士道」という精神についての本です。
著者は他にも多くの著作を残し、教育者としても数々の業績を残されています。
外国での生活も長く、そこで日本の道徳教育としてどういったことを
中心に据えて教えているのかと問われ続けた結果、生まれたのがこの本です。
西洋では道徳教育の中心は宗教です。しかし、日本にはそういった教育はありません。
しかし、西洋のようにきちんと形、文字になって受け継がれてきた精神が残っているわけではありませんでした。
ただ、武士道という言葉を聞けば、多くの人が理解しているという
意識の高い単一民族ならではの場の雰囲気があったのだと思います。
それが、鎖国の終わり、文明開化の影響で、急速に場の雰囲気が失われてゆき
こうした精神も失われる前に、著者が伝承のために残したのではないかと思います。
そのおかげで、武士道の精神を表す
「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」という言葉のそれぞれに
未だに重みを感じる事ができるのだと思います。
今でも、ある程度の年齢を重ねれば、こういった文字の意味するところを
日本人なら意識する事ができるのではないでしょうか?
自分の精神を鍛えることももちろんですが、
こういう素晴らしい精神性を伝えていく事も重要だと思います。