ファンキービジネス   300

pioneern2005-01-17

少し前の本なのですが、とても面白かったので紹介します。
表紙がいきなりスキンヘッドな二人組みなので、
なんじゃ!? こりゃ!? って感じがするかもしれません。
実はこの二人ストックホルム大学の経済学者なんです。


始めに「カール・マルクスは正しかったということだ」なんて
突拍子もないことを言っているので、ビックリさせられるのですが
全てが正しいと言っているわけではありません。
マルクスは生産手段を労働者の共同所有する共産主義を唱えました。
現代社会における生産手段として唯一他との差を生み出すことができる知識、
それを生み出す生産手段は頭脳であり、頭脳は知識労働者である個人が所有しています。
この部分に限って言えば、マルクスが正しかったと言っているのです。
もちろん当のマルクスは、分かっていなかったと思いますが……。


確かに現代社会において商品の品質には、ほとんど差がないですし
モノやサービスもほとんどが過剰で溢れていると言えるかもしれません。
そうした供給されるものの質が均一化していくなかで
大きな差を生む多くの要素は目に見えない部分です。
その差を生んでいるのは知識=頭脳しかありません。


更に、消費する側の価値観は多様化し、社会構造や制度も変化しました。
そこで、これからの世界でどのように考え行動するべきなのかを
企業の観点だけでなく個人の生き方にまで落とし込んで、いろいろな見解を述べています。
2001年出版なので、トピックスが少し古いところもありますが
自分のような凡人には、これくらい遅れて読んだほうが
突拍子のなさも受け入れられる余裕が生まれているので、ちょうどいいかもしれません。


こうした観点を自分の頭に入れて、これからを生きるのと
そうでなく生きるのでは人生の楽しみ方が変わってしまうかもしれません。
トム・ピータース的なおちゃらけたところもありますが
とても面白い本なので、読んでいないというビジネスマンは、是非ご一読を!