神話の法則

pioneern2004-05-04

ヒットする映画には、必ず神話の要素が入っている。
この本では、そうした要素をストーリーとキャラクターに分けて解説している。
よくできた物語は“始め”“中”“終わり”の3部構成になっており、
それぞれが日常→非日常→日常という流れになっている。
そして、その流れの中で主人公は精神的にも肉体的にも
成長していくというヒーローズジャーニーというストーリーをたどる。
これは、多くの国で共通する要素なのだという。
読んでみると「なるほど」と思うことばかりだった。


神田昌典先生も、この神話の法則に注目されてマネジメントの解説をされていた。
人間は知らず知らずのうちに、神話上の役割を演じるようになっていくらしい。
それは、会社、家族、コミュニティ、あらゆる場面で演じ分けていくそうだ。
もしかしたら、神話のストーリーは人間の遺伝子の中に
人が持つ当り前の既存情報としてインプットされているのかもしれない。
そう考えると、マネジメント本として読むことで、別の面白さがあるかもしれない。
この本は、他の本に比べて価格は高いけれども、内容を理解すればするほど、
他では得られない高密度の情報が詰っていることを思い知らされるので
今では、安すぎると思える本の1冊になっている。


できれば、多くの人に読んでもらいたいと思うが
反面、これほどの情報をみんなが知ってしまう前に
廃版になって欲しいとも思える本だ。