マネーボール

pioneern2004-04-17

メジャーリーグベースボールのチームの中でも
日本人にはあまり馴染みのないアスレチックスというチームが
お金をかけず、独自の視点を持ってチームを強くしたかという話。
しかし、主人公はチームの監督でも選手でもなく、現役時代にドラフト1位でメジャーに入り
期待されながら全く才能を発揮することができなかったGMのビリー・ビーンだ。
自分がメジャーで活躍できなかった理由を冷静に分析した結果
従来のスカウトの方法では博打的要素が強いことを知り、それまでの常識を全く無視した
スカウトやトレードをすることで、隠れた実力派選手を発掘し安く契約する。
その結果、選手の平均年俸は低いにも関わらず1999年シーズンから4年連続でプレイオフ進出を果たしている。
例えば、打者の成績は普通、打率、打点、ホームラン数、盗塁数などで判断されている。
しかし、アスレチックスで最も重視されるのは出塁率長打率だ。
そして、1打席当たりの投球数も重視されている。つまり早打ちする選手は嫌われる。
しかも盗塁はチームとしてほぼ禁止というから徹底している。
(その方針を守らなかった監督やコーチは全てクビにしている。)
こういったデータをもとにシーズンに入る前に総得点と総失点を予測して
得失点差から順位まで予測してしまう。しかもそれがほぼ当たる・・・・。
こういった戦略を支えているのはメジャー出身者ではなく、大学で経済学の学位をとったエリート達だ。

こう書くとこのビリーという人は素晴らしい人のように思うが
非常に感情の起伏の激しい人らしく、腹が立つとすぐに椅子を投げたり怒鳴り散らしたり・・・・
とても誉められるような人ではない一面も持っている。
他人と全く違った一貫した視点を持って、選択肢を増やすというところは
投資やビジネスにも活かせるところがあり非常に面白かった。野球好きはMUSTで読んでみて欲しい。
今年はアスレチックスに注目してMLBを観戦してみようと思う。
http://www.sanspo.com/mlb/sokuho/2004/standings.html