現代の必読書

pioneern2004-03-17

知的好奇心をここまで満たしてくれる本があるだろうか?
と同時に、この本の内容を悪用されたらどうしよう……という不安にも駆られる。
本の装丁も非常に硬派で大学の教科書みたいなので、とっつきにくい印象があるかもしれないが
とんでもないくらいにエキサイティングで楽しい内容だ。

もともと、人間は現代のような情報が氾濫する時代に生きた期間が短く
効果的に情報を選別する手段を持たずに生きている。
そこに落とし穴があり、それを上手く利用されているという恐るべき事実が分かる。
人は効率的に情報を選別するために、簡単な思考プロセスで結論を出そうとする。
その選別の基準になる
「返報性」「一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」
といったキーワードで説明されている。
それぞれのキーワードがいかに効果的で危険なのかを示す実験やデータが示され
キーワードが効果的に働くための前提や防衛法についても書かれている。
特に「返報性」「一貫性」「社会的証明」に関しては驚異的とも言える実験結果に驚かされる。
防衛法も書いてあるのだが、決して有効だとは思えないものもあるので
この本を読んだだけで防衛できるかどうかは、はっきり言ってかなり微妙だ……。

しかし、情報時代に突入した現代において情報を受ける最低限の知識として絶対に知っておくべきことだろう。
悪用されないことを祈るばかりじゃなく、有効に使うための方法を極めたい。
値段は高いが、それ以上に読む価値は高い!絶対に読むべし!!